イブラヒモってどんな紐?

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セガーレとトミカ博 in Nagasaki 2019

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随筆家・蘇我正悦は、晩年の手記にこう書き残している。

小生、「トミカ博」とみかひろしと読むのが好きだけれども、君の言ふ「トミ 力博」とみ りきはくも捨て難ひと想つた。

批判はあるだろう。蘇我正悦がそんなことを書くわけがない。だいたい仮名遣いからして時代が違っているじゃないか。ごもっともである。

しかし、何の問題もない。そもそも蘇我正悦なんていう人物は存在しないし、まったくのフィクション。Googleを軽く戸惑わせようという、暇を持て余したわたしの遊びにすぎないからだ。

あはははは。

さて、今さら夏休みの話題になってしまうが、セガーレを連れてトミカ博に足を運んだ。会期は8/23(金)〜9/1(日)。さすがに夏休み最終の土日は大混雑するだろうから、ド平日に学童保育を休ませて連れ出した。

ちなみに「セガーレ」とは、せがれをもじったSNS上での呼び名で、小学校1年生・早生まれの6歳男子だ。スティーブン・セガールとは別人物である。

その日はあいにく、長崎県全域が洗車機に放り込まれたかのような豪雨に見舞われた。平日の悪天候だけあって、駐車場も会場も空いていた。

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ホールに入るとすぐにトミカプラレールの粋を集めた街が出迎えてくれる。

「大雨?それは、何?」

そこには現実世界とは完全に切り離された安堵感が満ち満ちていた。血液のように整然と循環するトミカ、そしてプラレール。黙って魅入るセガーレ。

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セガーレは、体験系のアトラクションやゲームには全く興味を示さなかった。やがて一角にある「トミカプレミアム」のショーケースを見つけて走り寄り、ようやく口を開いた。

ランチア ストラトスがあるねー」

この呪文のような名称をよどみなく唱えるセガーレは、クルマが大好きだ。

クルマへの猛烈な興味は、1才を過ぎたあたりから始まっている。その馴れ初めは、オカン義母の家に飾ってあったAudi A8のミニカーだった。

ひとたび目を輝かせた彼は、その日以来、アンパンマン仮面ライダーウルトラマン・戦隊モノなど、あらゆるヒーローに見向きもせずに育った。

2才でトーキョーモーターショー2015のパンフレットを熟読。自動車メーカーのエンブレムを覚えた。就寝前の読み聞かせは、日産GT-Rのパンフレットである。

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あなたは、生まれて初めてステアリングを握ったときの気分を覚えているだろうか?

「『覚えているだろうか?』じゃねーよ」とこっそりツッコミながら、何度も何度も読み聞かせたものである。

セガーレは、今のところスポーツカー・GTカー・ラリーカーなど速いクルマに興味があるようだ。誕生日がアイルトン・セナと同じだし、田崎真也とも同じなので、将来は「音速のソムリエ」という異名で呼ばれるような、モータースポーツ界の立役者になってくれるかもしれない。

そんなセガーレには食育ならぬ車育が必要。トミカは教材のようなものだ。

「今日は好きなものを買ってあげる」

セガーレが躊躇いもなく選んだのは「トミカプレミアム SUBARU BRZ R&D SPORT」。そして「トミプレミアム ランチア ストラトス HF ラリー」。他に、トミカ博限定モデルも見逃さなかった。「光岡オロチ」「NSX-R」「Mercedes AMG GT R」。

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トミカ博。その名称を聞くだけで耳が痛くなり、身体が震え、急な腹痛を訴えたりする親御さんもあることだろう。子どもに知られないよう、あの手この手で開催情報をブロックしようとする猛者もいるという。

しかし、ここは散財の場と諦めるのも一手だ。「少額で遊んで帰ろう」作戦は、かえって裏目に出ることがある。派手にいくのだ。

そもそも入場料は限定モデルの購入権。子どもの手を引いて、トミカの街並みをあえて無視して奥へ奥へと突き進み、限定トミカを手当たり次第に買い、すぐ退場。それがここでの至高の遊び方である。1万円もあれば十分だろう。

精算を終えるとセガーレは言った。

「もう帰りたい」

ほら、そうだろ?

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トミカ博のレシートが定食屋っぽい