今日もまたひと通りの用事を済ませて帰宅した。リュックの中身をすべて取り出そうとしたとき、財布が入っていないことに気づいた。
「うあー、どっかで落としちゃった?スられた?」と一瞬焦ったが、そんなことはない。ただ財布を持って出掛けていないだけだった。
キャッシュレス決済が広まったおかげで、財布を持って外出する習慣が薄れている。
コンビニに行くときはiPhoneだけ持って出るし、市電やバスにはApple WatchのSuicaで乗れる*1。自販機もCoke Onアプリでいける。現金しか使えないお店を覚えておけば、買い物・飲食に困ることがない。
かたや、現金がないと何もできないコトが微妙に残っている。コンビニのマルチコピー機だ。
アプリにプリントアウトするPDFを登録して、iPhoneとクリアファイルケースを持ってコンビニに出かける。
ファイルをマルチコピー機に送信して、用紙を選んで、プリントする時点で「現金持ってくるの忘れた!」と気づき、愕然とする。
帰るしかないんだもん。空のクリアファイルケースに対して「なんだよコイツ、ぺらぺらしやがって」と無性に腹が立ってくる。片道5分のわずかな距離を引き返すあいだずっと、「途方もなくムダなことをしちゃってるね〜」と耳元で囁かされている気分にさえなる。
キャッシュレス決済社会に巧妙に仕込まれた罠である。この狭くて深い落とし穴、一刻も早く埋めていただきたいものだ。